(ブログのタイトルに本のタイトルを入れるか本気で迷った。)
伝説のweb漫画として一部界隈で絶大な人気だった本作。
実は作者のYOKO氏は数年前に週刊少年ジャンプで「背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜」も連載されていました。
オナニーマスター。
略して「オナマス」ですが、ちょうどKindle Unlimitedで無料対象だったんで読んでみました。
これから読む予定の人もいると思うので(いるのか?)ネタバレはしませんが。
感じたことは一つ!
「変化する他人に人はどう接すればよいか」
タイトルがど直球すぎて声に出すのも憚られるレベルの本作ですが、
ちょっと紹介しようかなと思います。
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ストーリー
中学2年生の黒沢は友達が少なく常に一人だが、本人は全く気にせずに学校生活を過ごしている。
そんな彼の”日課”は、放課後誰もいなくなった校舎の女子トイレで、
一人オナニーに励むこと。
ある日その日課がクラスメイトの北原にバレてしまう。
北原はこの事を口外しないことを条件にある取引を持ちかけてくる……。
あらすじからして黒沢やばいですね。
さすがオナニーマスター黒沢。毎日すんのかよ。ぶっ飛んでやがんな。
ちなみにクラスメイトの北原は、黒沢曰く「メガネをかけた仔リスのような女の子」です。
いじめられっ子なんですが、こんなぶっ飛んだ黒沢に対して取引を持ち出せるあたり
心臓毛むくじゃらなんでしょうね。
物語はこの2人を軸に進んでいきます。
変化する人間に対してどう接するべきか
本作のテーマはこれだと思っています。
変化する人間ってかなり目立ちますよね。
ちょっと自分の交友関係を思い返してみてください。
昨日までは普通に話してたのに、急に考え方が変わって話が合わなくなった人って
周囲にいませんでしたか。
僕はいました。
受験期にメンターっぽい人に出会ってしまったそうなんですが。
携帯を捨て、誰とも連絡を取らず、学校行事にも出ず、
ひたすら受験勉強だけをするようになった人がいました。
きっと、「学校でじゃれあうだけの友達なら切り捨てろ!受験は戦争だ!」
とか言われたんでしょうね。
こんな風に、影響力のある人物に生き方を決められたり、
他にも突発的な出来事が起こったりなど理由は様々です。
ですが要因は色々あるにしても、急に変わった人物に対して私たちは決まって、
「距離を置く」ことを選びます。
出る杭は打たれる。触らぬ神に祟りなし。
ことわざにもあるように人間の本能なんでしょうかねー。
この作品にも突然変化する人物が現れます。
もちろん周囲の人間は距離を取り壁を作りましたが、
作中後半ではその壁をどう乗り越えるかがをポイントになっていきます。
多少引っかかるところはありますが、
僕はおおむねこの作品が出した結論に納得しています。
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思春期の心の強さと弱さをうまく表現している
出てくるクラスメイトはみんな、どこにでもいる少年少女です。
盛り上げ担当の野球部や、ヤンキーの女の子、アニメが好きなオタクグループなど。
だからこそ作中でもオナニーは恥ずべき行為として扱われています。
そもそも世の男子中学生にとっちゃ、
オナニーなんて耳にするだけで狂喜乱舞できる格好のイジりネタじゃないですか。
なので黒沢は誰にも気づかれず、ただ黙々と日課をこなします。
うーん。職人だ。
とは言っても思春期真っ只中の彼らだって、
心の弱さと強さが入り混じった世界があります。
ネタバレと思うとあんまり言えないんですが、
突然、近しい人の性格や思考が変わってしまって、浮いた存在になってしまうものなら、
攻撃するのが普通です。
攻撃と言っても、拒絶、無関心の場合もあります。
そしてそれらは、次第に大衆心理となり大きな化け物に変わっていきます。
この辺りの表現は結構怖いです。
自分がその場にいたら多分逃げられないな。
ましてクラスなんてものは、たった30人程度のコミュニティです。
数人が声を大きくすれば、集団心理なんてあっという間に掌握できます。
非常に怖い。
いじめが往々にして起こるのは仕方ないんだろうなと思う次第です。
まとめ:下ネタでありながら考えさせてくれる作品
あんまりダラダラ書くタイプの本でもないので、早々に区切ります笑
下ネタ全開のタイトルで、前半は危ない描写もありますが、
中盤以降は結構考えさせる内容でした。
・変化することが悪いことなのか。
・変化した人に対してどう接するべきか。
・集団心理の恐ろしさ。
この辺りのドロドロした感情が蒸し返さるような作品ですね。
終始ドロドロしてるわけじゃなくて、ギャグもありますし、ラストは僕は好きですよ笑
まぁ面白い作品でしたね。
おしまい。